注1
この記事を書いている人間は、音楽知識ゼロ、音楽経験ゼロ、高校生バンドの知識ゼロの三拍子揃ったゼロ人間です。的外れな発言などなどもしかしたらあるのかもしれませんが、そこはそーっと目を瞑っていただければ幸いです。
注2
この記事は、単なる感想文、ドがつく素人の単なる感想文であり、批評だとか評価なんてものではありません。
本当にステキな演奏、ライブがあって、参戦してよかったなあ~っていうそれだけの文章ですので、よろしくお願いします...。
先月、人生で初めて高校生ライブというものに参戦してから、早くも一ヶ月の時が流れた。高校生ライブ、というものを観たことがなかった僕は、目の前に広がる鮮烈な青春とロックに圧倒された。
もう一度行きたい、まだまだ知らないバンドが無数にある。もっともっと聴きたい、知りたい。と、少女マンガの主人公バリの思いを抱いていたのだが、
それからはや一ヶ月の時間が過ぎ去った。
風邪をひいたり、所持金が500円を切ったり、唐突に家族行楽の予定が入ったりして、いくつものライブが僕の脇を通り過ぎていった。
が、しかし。
本日、ついにその人間の屑のごとき有言無実行に終止符が打たれたのである。
今日は、こちらのライブにお邪魔させていただいた。
それというのは、『ホーカゴ アウェイク!』さんである。
この会場に至るまで紆余曲折あり、数十分開演に遅刻してしまったためトップバッターのSPRITさんを聴くことができなかったのが無念でたまらないが、
しかしまた総じて痺れるくらい最高のライブ・企画だったことは言うまでも無い。
出演バンド全てが僕にとってははじめましてのバンドであったが、グググッと心をわしづかみにされてしまっている。
とにもかくにも前置きはここまでにして、どんなにこのライブが最高のものであったか、筆を進めていくことにしようと、思う。
Fly→D さん
こういった複数のバンドによる企画では、当然のことながら、バンドとバンドの転換の時間というものがある、単に移動をするだけでなく、音響機器などの調整を行ったり、チューニングをしたり…
その時間帯というのは、べつにライブとしての演奏が始まってるわけでもないから、基本的に、
本来ならばこちらとしては「ひまだなー」程度の時間で過ぎていくはずなのである。
本来ならば、そんな「ひまだなー」程度の時間で過ぎていってもなんの差し支えもないはずなのである。
しかしFly→Dさんはそれを許してくれなかったのです。
いや、別に「何が暇だ串刺しにするぞ」「ひまだなーとか言うな口に雑巾詰めるぞ」みたいな暴力を働いてきたわけでは一切無く、
ただひたすらに試運転の質が鬼なんです。
ざわざわと各々が友達と喋ったり、スマートフォンとにらめっこしたりする中を、貫くようなボーカルの歌声。
MAXのボリュームで、直接観客の肺腑を揺さぶる感覚。ちょっと危なげで、でも確かな芯と声がそこにある。
感情が濃縮された歌声が、一瞬で会場内をある種の驚嘆の渦に巻き込みました。
ほんっとすごかったです。その声、その歌い方、いくらで売ってくれますかね…。
で、ここまで書いて思い出したんですけどまだライブは始まってなかった。
と、いうか、あの時も同じ感覚に襲われましたね、始まってはいないのに、もうすでに「始まっている」んじゃないか、という感覚。
正直なに言ってるか文面だけじゃ一ミリもわかんないかもしれませんが、
きっと観ればわかる、その筈です。
そして、満を持して始まった一曲目。
僕の記憶と知識が正しければ、一曲目はリーガルリリーの『リッケンバッカー』だったはずです。
が、この曲めちゃめちゃいいですね。
僕初めて聴いたんですよ、恥ずかしながらこのライブのFly→Dさんの演奏で初めて耳にしました。
これがまたFly→Dさんの雰囲気にベストマッチしていてたまりませんでした。
先ほどからもうドハマりしているのが、「おんがくも 人をころす」というフレーズ。これがボーカルのキウイさんの歌い方で一層毒とするどさを増しているのです。最&高。
あと、女性のドラマーをあんまり見たことがなかったので、めっちゃかっこよかったですね。しかも鬼のごとく上手いのがまた...ため息の出るところです、ちょっと分けてもらえませんかね、その能力。人助けだと思って…。
楽器を演奏する女性ってめちゃかっこよいですよね。
しかも上手いとなお一層かっこいい。
よってガールズバンドであるFly→Dさんはめっちゃか
ん???
ちょっと待って?
違った。
ガールズバンド+熊だった。
冷静に考えて熊がベース超絶技巧で演奏してるって相当シュールな状況なんですけど、ベースの熊 さんとてもグルーヴィーでステキでした!!
そして二曲目。コレがオリジナル曲にあたるのだけれど、実はまだタイトルが未定ということだそうで、そのことをしっかり伝えたうえで「曲のタイトルをつけてくれる人いたらご一報ください」とMCしてから演奏されました。
なんかいいタイトル思いついた方がいれば、Fly→Dさんに連絡してみてはいかがでしょうか。ちなみに僕は全く思いつきませんでした。
この曲で特に印象的だったのが、個人的にイントロと間奏の随所に入る、物寂しげなキーボードのフレーズ。
(前述の通り僕音楽知識果てしなくゼロなので間違えてたら訂正してください)
あと、夏をテーマにした曲、でアップテンポなのに歌詞が一筋縄じゃいかない雰囲気で、心惹かれるもの盛りだくさんでした。
とくに印象に残ったのはやはり、ラスト曲のサカナクションの『新宝島』です。
この曲はわけあってかなり思い入れの深い曲なので、まさに俺得状態でしたね。
この曲は何から何まで楽しい。もう音楽界の戦国BASARAです。
…たとえがあまりにも貧弱すぎたので一旦訂正します。
これは音楽界の真・三国無双です。
サビはもちろんのこと、イントロ、Aメロ(たぶんこの曲にBメロないからAメロって正しいのかわかんないけど)、押しなべて無双状態。
滲む汗が滴るくらいまでに思いっきり盛り上がらせていただきました。
しかしこの曲で僕がすきなのが(ついに主観になってしまったが気にしない)、何を隠そうアウトロのあの圧倒的終幕感なんですよね、わかります?わかりません?
わかる方とは美味い酒が飲めそうな気がするんですけど、それはまあ置いといて...。
この新宝島をラストに持ってきたFly→Dさんは天才なんじゃないかと。
僕は最後にそう言いたい。
そしてそんなFly→D(ふらいでぃー)さんのアカウントがこちら!!
ちなみに200人目のフォロワーは僕です。
HotchPotch さん
ほとんど知っている方々で構成されているバンドなのだけれど、普段は違うバンドで活躍している姿しか見かけていなかったため、なんだかとても新鮮な気持ちを覚えたのがこのバンド。
ホーカゴ!アウェイクのポスターを見てくだされば一目瞭然だと思うのだけれど、
明らかに人間じゃねえ画像が紛れ込んでいるのだ。
周りが各メンバーの集合写真で固めてきているところに、ひときわ異彩を放つこのアー写。
いやそもそもアー写ってアーティスト写真の略だから、これをアー写って呼んでいいのか?って議論から始まるところなんだけれど、そんなことから始めたらそろそろスクロールする指が折れてしまうほどになってしまうから、このところで話を一旦切ろう。
と、いうわけである種のワクワクを抱いて向かったHotchPotchさんの演奏。
心待ちにしていた分だけ、
しっかりと最高の演奏で返してくれるのがHotchPotchさんの末恐ろしいところです。本当に...。
と、いうわけで一曲目がたしかクリープハイプさんの『憂、燦燦』でした。
この曲どっかで聴いたことあるなあ~、と思ったら実は先ほどのFly→Dさんとダダかぶりしちゃったという事案でした。
が、これまた素晴らしい演奏でした。
同じ日に、ハイレベルで、また違った個性をもつ二つの『憂、燦燦』を聴くことができたのはまさに僥倖というものですね…
イントロのギターのサウンドが醸し出す世界観は素晴らしく、一瞬でHotch Potchの演奏に吸い込まれていく、心地よい感覚がしました。
もう、メンバーの演奏力もすごいんですよ、こんなド素人が手放しにすごいの一言で片付けちゃだめだと思うんですが、やっぱとにかくすごいんです。
僕が個人的に推してるのがれもしゃさんです...あの、全身を使って演奏する姿が、もうほんっとうにツボですね!
ほんとこのHotch Potchの憂、燦燦、素晴らしかったです。
尾崎世界観どころの騒ぎではありません、まさにおでん世界観です。
(言いたすぎた)
二曲目が確か、東京事変の『透明人間』です。
正直生半可じゃないです、あのクオリティは。本当にやばいのです。
まず元曲の透明人間。恥ずかしながら僕は今回ではじめて聴いたんですが、これがもう、ツボにハマってしまいました。
誰ですかこの曲選曲したメンバーは!出てきなさい。
ドラムのもとじーさんが演奏前に「手拍子が盛り上がる曲」と言っていた理由がいまならわかります。
ああ~、もう一回、もう一回Hotch Potchの透明人間が聴きたいです。
美しい和音がキーボードから奏でられる、胸が躍るあの体験、是非皆様にも味わっていただきたい!ぜひ!
そして三曲目。どんどんいきますよ。
ポルカドットスティングレイの『テレキャスター・ストライプ』。
この曲、最近ポルカにはまり始めていた僕にとってはベスト・タイムリーな曲でした。
だから散々暴れさせていただきましたヒャッホウ!
で勝手な憶測も過ぎる勝手な憶測なんですけど、この曲弾くのたぶん難しいと思うんですよ。たぶん。
でも、それを事もなげに演奏してのけてるメンバーの皆さんがすごすぎる。
なんだその指の動きは…ギターってなんなんだ(哲学)
四曲目、『おやすみ泣き声、さよなら歌姫』です。
この曲は急遽やることを決定したそうで、一番のみの演奏でした。
この曲はですね、僕が初めて高校生ライブに行ったときに同じくあーりんさんが歌っていて、それがとても脳裏に焼きついていて、まさに思い出の一曲なのです。
・・・っコレなんですけど。
…どう考えても完全に好き勝手な宣伝です、本当にありがとうございました。
メンバーに若干の差異はあれど、また同じように、この曲をライブで聴くことができて、僕は本当に感無量…でした。
最後の曲。チャットモンチーの『ハナノユメ』
イントロのドラムから、駆け抜けるギターの音。個人的にこの曲はドラムがアホほど楽しそうな曲だなあ、と思いました。
少なくともドラムの刻むリズムに合わせて飛んだり跳ねたりするのはかなーーり楽しかった、それだけはいえます。
いわばトリ、であるこのHotch Potchさんのライブ。壁にかかる時計をちらりと見ると、もうこの曲が最後なんだなあ、とはっと気付いて、妙に寂しくなりました。
ハナノユメ、ぼくはこの曲がとても好きです。
特に、この詞、薄い紙で指を切って 赤い赤い血が滲む これっぽっちの刃で痛い痛い指の先、というフレーズ。
この曲について書いているわけじゃないので割愛しますが、
好きな曲をライブハウスで、自分じゃない誰かがいいなって思って演奏する。
そんなめぐり合わせがとてもステキに思えるのでした。
ほっちぽっち、と読みます。Hotch PotchさんのTwitterはこちら。
あとがき
拙文稚文は毎度のことながら、今回は遅筆。しかし、こんな記事をここまで読んでくださった皆様に感謝いたします。
また、掲載の許可をくださった各バンドの方々、またこんなステキなライブを企画していただいたAWAKEさん、すべての方々に感謝いたします。
放課後にライブに行く。
それはゆるやかな日常から、急勾配の非日常へとなだれ込む、存外不思議なイベントなのです。
われわれにあって、数年後のわれわれに確実にないもの。
恋はあるかもしれない、わくわくだってあるかもしれない。
でも、放課後は確実に無いのです。
ワイシャツが汗びっしょりになるまで放課後のライブで騒ぐ、なんて、本当に本当に稀有な経験の一部なのです。
行けば、わかるといいますが、
行かなくても少し行く気になる人が増えればな、そう思い、ぼくは長々とこうして文章をつづった訳なのです。
それではまた、いずれどこかで観たライブを、こんな感じで拙文に起こしておこうと思います。
拙文稚文失礼致しました。
ありがとうございました。
AWAKEさんのTwitterはコチラ
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企画するライブはきっとどれも皆さんの琴線に触れるものばかりでしょう、機会をつくって赴いてみてはいかがでしょうか?