アニョンハセヨ!!!(両耳の鼓膜が破ける呪文)
ヒカキンが逃走中に出ていた。
YouTuberが地上波に登場する時代になったのだなあと思う。
きっとこのテレビの向こう側でヒカキンチルドレンと呼ばれる少年たちが目を輝かせながら液晶を凝視していたのだろう。
「っちくしょ~コロチキのナダルはいいんだよ~ハゲは帰れや…」
「たける、お父さん野球見たいって」
「うるっさいなヒカキン…さんが出るんだよヒカキン…さんが!」
「じゃあそのヒカキン?が出たらすぐ野球にして頂戴ね」
「は!?ヒカキンさん馬鹿にすんなよババア動画見たことあんのか見てから言えや!!!」
「えっ馬鹿にしてな」
「ごちゃごちゃ言うなよヒカキンさん馬鹿にするのはあんたにギャグセンスがないからだよ!!!!」
「たける…あんたいい加減に」
「ちょ!!静かにして、ヒカキンさん出た!!黙っててママ」
っていう。
で、母親が憤怒の鬼と化して『【発狂】息子のマインクラフトのワールド燃やしてみたwwww』っていう動画を息子がお年玉で買った2000円のマイクで録るっていう。
っていう。
そういった情景がまざまざと想起されてくる。
後味悪っ。
それはそれとして、
ここ二、三年で、『ネット発の』という冠のつくタレントやアイドル・作家などが数多く表舞台に輩出されているなあ、としみじみ感じる。
いや、「ネットから輩出されている」と、いうよりはむしろ、アンダーグラウンドとして、テレビの裏側に存在していたインターネットが徐々に徐々にテレビの世界に侵食してきたから必然的にインターネットの人物が表舞台で見えるようになってきた、と言ったほうが正確かもしれない。
バズったツイートがそのままゴールデンタイムの番組で流れてたりしているのをよく見かける。
これも徐々にアングラのネットが日の目を浴びてきた事例といえよう。
もともとはインターネット掲示板「2ちゃんねる」で使われていた言語がいつの間にかJK語として広く普及しているのも、それらがテレビで取り上げられたからなのである。
そこで僕はひらめいた。
テレビにさえ載ることができれば、なおかつそれが継続されれば、より広い範囲に、より多くの人々に僕のLINEスタンプを広められたり、僕の通う高校を破壊するための署名を集めやすくなったり、参議院選挙に出馬したり、コンビ二エンスストアの前にたむろするヤンキーが非常に邪魔なのでアルカイダを誘致したりできるのだ。
さあ、
今年の目標はテレビに出ることだ!
よし!
いっくぞ~!!!!!
昨夜未明、秋田県全域の米俵を海底に沈め海面を100mほど上昇させた容疑として、男子高校生(16)が逮捕されました。「これでヒカキンさんも喜んでくれると思ったし、ファミマの前にいるヤンキーは邪魔だとおもった」などと意味不明な供述をしており・・・。