言いたいこと以外言わないソレ

言いたいこと以外のことを言わない文章の集まりです。

Sentimental Young Ones、全曲推薦文。

 

これは僕の敬愛するロックバンド、SULLIVAN's FUN CLUBのニューアルバム「Sentimental Young Ones」の感想文です。

 

ボリュームは親子丼くらいの文章量です。

 

とくに、聴いたことのない方にも向けて、伝わるように頑張って書きます。

リツイートとかするくらいならタダだし、ちょっと気に入ったら拡散してくれるとうれしいです。

 

 

 

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そもそも「SULLIVAN’s FUN CLUB」って?

 

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左からヨシダカズマ(Gt) / ヨシダレオ(Vo.Gt) / タダカズキ(Dr) / ヤダニイナ(Ba)
2016年7月、北海道札幌市にてヨシダレオ(Vo.Gt)と、タダカズキ(Dr)を中心に結成。

 

2017年11月、ヤダニイナ(Ba)を迎え3人体制となる。


2018年5月、バンドとして初の音源となる1st mini album「friends」を発売。それに伴い、札幌SOUND CRUEにて自主企画「YOU ARE MY YOUTH」を成功させる。

同年11月、2nd mini album「OUTSiDER」を発売。

 

2019年7月、ヨシダカズマ(Gt)正式加入。

2019年8月、「SUMMER SONIC 2019」出演。

同年8月、新木場スタジオコーストにて開催された「マイナビ未確認フェスティバル 2019」にて総勢3101組の中からグランプリ受賞。

 

(公式サイト

https://sullivansfunclub.themedia.jp/pages/2322890/biography から引用)

 

 

去年にはかのマイナビ未確認フェス(ex.閃光ライオット)でグランプリを獲得するなど、現在破竹の勢いで活躍中のバンドなのです。

 

バンドのパフォーマンスは、圧倒的熱量、そしてその土台となる演奏・歌唱力の高さ。

 


【LIVE映像SP】マイナビ未確認フェスティバル2019[ドライ部4] # 24

 

こちらを見ていただければわかりますが、物凄い熱、

そして、これがSULLIVAN's FUN CLUB かとイッパツで脳に刻みこまれる圧倒的なこれだ感

 

もう、いい意味でハチャメチャなんですよね。音楽が好きだ、ロックンロールが好きだっていう初期衝動剥き出しの、まさにロックンロールの権化のような・・・

 

この力強さ、鈍器で脳を直に殴られるような覚醒感

ぼく自身は、これがSULLIVAN's FUN CLUB (以下:サリバン)の大きな魅力の一つだと思っています。

 

 

こんな文章でわかるかって方は今すぐYouTubeでこれらの曲を聴いてください。

https://www.youtube.com/watch?v=AOGkdR_unKk

(DOOR/SULLIVAN's FUN CLUB)

https://www.youtube.com/watch?v=yJFzUB3sZ6U

(17才/SULLIVAN's FUN CLUB)

 

 

 

1.DATE DATE DATE

好きな異性のこと、グラウンドのベンチに置かれたアイツからもらったアクエリアスのこと、完全下校のチャイムが鳴っても教室で話してたこと、

 

夕日に照らされた横顔、なかなか来ないバス待ち電車待ち、それが続くことを願ったこと、

 

勇気を出して花火大会に誘ったこと、部活終わり一緒に帰ったこと、

帰り道によったマクドナルド、あの甘酸っぱすぎる会話の間の沈黙、家に帰ってからそれらすべての反省会・・・

 

 

これ。

 

これ味のグミ。

これ味のグミを食べてるときの味がします。

歯に沁みるくらい酸っぱい、舌に残らないけど爽やかな甘さ。

 

青春ロックとはこういうことなのだろうと思います。先日筆者は高校を卒業したのですが、失われた「高校生」「青春」のデカさを気付かされました。

 

大人になって聴いたら一体どれほど甘酸っぱいのだろう、とにかくサリバンのいるこの時代に高校生であれてよかったと思いました。

 

だから、中高生の皆さんは今聴いてほしい、そして数年たってもう一度聴いてほしい。

 

その甘酸っぱさは間違えなく君たちのものだから。片思いでも両思いでも、なんでもかんでも、それは間違えなく振り返れば甘酸っぱい。

 

もう大人になってしまった卒業生、社会人の皆さんは、聴けばたちまち悶え苦しむこと必至。

クラスの対角線上に座るあなたの好きな人のセミロング、もう一度おもいだしてみませんか

 

 

「君とデートしたい 君とデートしたい ただそれだけでいいの」

 

という一番の歌詞が、ラストのサビでは

 

「君とデートしたい まじでデートしたい 日が暮れても歩いてく

 君と手繋ぎたい あわよくばキスもしたい ただあなたのことばかり」

 

になっているのが共感の嵐。悶々として、考えるほど「君」が好きになる。

これは人類あるあるだと思います・・・甘酸っぱい・・・

 

そしてギターがものすごくいいんですよね、他の曲と比較して、爽やかと言うか、芯がある軽やかさが、あのキュンキュン感を演出してます。

 

 

致死量の青春ロック。この曲のためだけでもこの盤は買うべき・・・

 

 

 

 

 

2.PINK YELLOW BLUEZ

以前、この曲が発表されたとき、その衝撃があまりにも凄すぎてブログを書いたのを覚えています。

夕方にスニーカー履いて、近所のコンビニまで思い切り走った。そんな思い出のある曲です。

 

 

まずはこの曲をYouTubeで聴いてください。

 


SULLIVAN's FUN CLUB - PINK YELLOW BLUEZ(MV)

 

 

 

さて、序盤に貼ってある「17才」という曲を一聴していただいた方なら「ピン」ときたかもしれません。

 

作詞作曲者のヨシダレオさんがどういう意図であったかは不明ですが、一ファンとしてこれはやはり「17才」のアンサーソング(もしくは、補足?続き物?の位置)にあたるのではないかと思います。

 

(※17才のリンクはここ→https://www.youtube.com/watch?v=yJFzUB3sZ6U

 

 

 

17才の歌詞の中で

 

「ある晴れた日の午後 控えめに輝く月を見た」

 

とうたうのに対し、PINK YELLOW BLUEZでは

 

「真夜中何回も 月明かりで目覚める」

 

とうたっていたり。

夕闇に染まる空にひっそりと光る月をぼんやり見て、あの子のことを考える。17才の歌詞ではそんなに拍動めいたものはありません。

 

しかしPINK YELLOW BUEZでは、真夜中に、しかも何回も、月を見ずとも差し込んでくる月光に起こされる。

泣いていた君の一言が、僕を掴んで揺り起こす。

 

 

17才ではなんとか達観しようとする少年?の姿を、本曲ではそうあれない少年を描いたのでしょうか。この二律背反の不安定な気持ちが、その世代の等身大なんだと僕は思います。

 

歌詞の考察って、自分でするのが楽しいですよね。まあ、人の読んでても恥ずかしくなりません?なんか。

 

言いつつ僕も似たようなもんを今書き上げたんですけれども。

 

もし二つとも歌詞が用意できた皆さんは、対比して考えてみるのもこの曲の楽しみ方の一つじゃないかと思います。

 

 

そしてこの曲、何が楽しいかって言ったらイントロと間奏なんですよ。

 

受験期の都合もあって今年はまだライブハウスでこの曲を聴けていないんですが、想像するだけで楽しい。

苦しかったり何かが奥のほうでずっと詰まっていたものをぶち壊してくれるような鮮烈な演奏です。

 

とにかくドラムが最高。

 

 

 

 

3.SEN KOHANA BI

前曲と続いて、「さよなら」が核になっている曲、現在から過去に向けてぼんやり焦点をあわせた曲です。

 

ベースの音も心地よく、少し穏やかなイントロや、やさしい歌い方と対照的に、サビでは思い切り歪ませるギター、がなる声。

 

ストレートに切な過ぎる。これはぜひとも、爆音で一聴してから、歌詞カード横目に聴くことを推奨します。

 

 

 

「街で聴くナンバー 全然良くないね いつかの湿気た線香花火 またいつか二人でしよーね」

 

というフレーズがありますがいいですかここ!!ここ!!この「しよーね」ってところ最高なんですよ。

 

「は?歌だから詞の表記なんて関係ないじゃんMother fxxker」

みたいなこと言われたら困るんですが、とにかくここがいい。ここだけじゃなくて、ほかの随所にも「ー」が入ってきてる。

 

気だるげなカンジなのか?と思いきや、サビではあの必死そうな声で

 

「さよならしても ずっと手を振りつづけた 君がいちばん ずっとずっと好きだったなあ」

 

と歌う。

このストレートさ。変に婉曲的でもなく、カッコつけるわけでもないこの詞。

 

これがいい。

 

サリバンはこの、言ってはなんだけど愚直な詞が素敵だ。決して綺麗ではない。でもそこにほんとうがある気がします。

 

 

六畳一間の大学の夏休み、この曲が浸みる大学生、めちゃめちゃいそうな気がするんだけどね。

 

 

 

4.RE CORD NOISE

1,2曲目よりも大人な視点から語られたような詞とメロディの雰囲気。いままでのアルバムに入っていたサリバンではあまりない音の作り方なような気がしました。

 

バカ舌ならぬバカ耳なので信憑性はまっっっったく保障できません。

 

 

「君がさ ついてた優しい嘘が好きだった 僕がさ 知らない 優しい嘘もあるのかな」

「僕はもうあなたをずっと忘れないぞ 二人が望んだ未来はないと知ってても」

 

このフレーズだけで、下手な恋愛小説一冊ぶんくらいなら優に凌駕する。

 

コーラスも良い。サリバンのコーラスは聴くほどいい。ヨシダレオさんの優しいうたい方もいい。

 

本当にレコードの溝みたいにがたがたな恋愛で、ノイズを出しながら擦れてしまったレコード針みたいに、二人はつかれてしまったのだろうか。

 

 

ヨシダレオさんは本当にうたうのが上手い。音作りもうまい。

 

この曲が本当に芯からわかってしまうとき、僕は心から悲しい恋愛を経たあとなのだろうか? そうではありたくはないと強く思う。

 

レコード針を落とすように、恋をしている人は、その針が擦り切れないように・・・と思う。

 

というわけでこの曲も推したい。

 

 

 

 

5.IMADA MINU SEIGI

 


SULLIVAN's FUN CLUB - IMADA MINU SEIGI(MV)

 

 

さて、どこから書いたものか。そういう気持ちになってしまう。

 

ただ一ついえるのはこの曲が僕たちに与える熱量っていうのは本当にとんでもないんじゃないかってことだけです。

 

これは物書きとしてある種の敗北かもしれないけど、これは本当に、まず聴いてほしい。

 

 

 

IMADA MINU SEIGI

 

そう題されたこの曲。どこに放たれるとも解らないロケットランチャーが、ところかまわず大爆発している。

 

 

イントロからこの曲は大好きだ。

初めて「17才」を聴いたときの稲妻と同じ感覚が全身を走る。

 

 

情けなくてどうしようもない夜。電気もつけずヘッドフォンだけつけて爆音で聴く。

 

なんら変わりないこの現状だけど、この曲を聴くたび、汗びっしょりになるまで暴れて、雷に打たれるようにしてようやっと前を向く。

 

そんな曲だと思う。

曲の聴き方なんて自由だけど、これがTik Tokなんかで使われるような時代が来ないことを願う。それに比べたら俺の聞き方のがいいよって言える。

 

 

「未だ見ぬ正義よ

 目に染みる白を

 この胸に住みつくバケモノを 殺しておくれ

 二度と朝が来なくても」

 

未だ見ぬ正義とは?

 

ヨシダレオさんは前作OUTSiDERでも、リボルバーという曲の中で

「正しさってなんだ」

とうたっていた。まだ見つからない正しさや正義。

 

サリバンはいつか見つけるのだろうか?

 

僕も見つけられるのだろうか?

 

 

この胸に住みつくバケモノを 殺しておくれ

 

まさに僕もそう思うのだ。

おんなじ気持ちの人間は、きっとそう少なくない。

 

 

「この手に自由を この喉に歌を

 血走る目が見た絶望を 聞かせてくれよ

 黒く汚い情熱を」

 

本当の自由はまだ無くて、毎日喘ぎ喘ぎ生きているような、

眠る前に死んだ後の世界とか暗い未来とか、

ふさぎがちなこと考えてしまうような俺らをぶちこわすような「黒く汚い情熱

僕はそんなサリバンの音楽、パンクロック、ロックンロールが大好きだ。

 

 

 

 

これはいい。最高だ。

 

 

 

 

 

 

 

6. MI RA I


SULLIVAN's FUN CLUB - MI RA I(lyric video)

 

このアルバム、配曲が素敵すぎる。

先ほどの曲の後で、少しバラード調のイントロから始まるこの曲。

 

この曲は聴けば聴くほど味が出る。

 

曲中で出てくる、「きみ」という人物。

 

水槽の中で飼われている金魚から、徐々に酸素がなくなっていくように、聴くほどこの曲の骨子が浮かび上がる。

 

 

「HATE ME 殺せと綴ってたって 死にはしないね」

 

この曲を聴くと何かが終わってしまっているような寂寥感が脳内に充満する。

 

未来になにがあるのか、かといって過去に何があったか、わからなくなるような気分になる。

 

 

「どうだっていーよ 来る未来に きみはいないね

 SAVES ME きみの うたにいつも 私はいないね

 きもいね」

 

「ハロー、きみは 幸せでしょうか

 ハロー、きみは 幸せでしょうか

 ハロー、きみに 伝えたいこと

 腐るほどあんだ ハロー、ハロー」

 

 

この歌詞がなんだかこの曲の答えあわせみたいだ。

言葉にして逐一解釈を書くのが無粋だし、書けば書くほど痒くなる気がしたから多くは書かないことにするけれど、この部分がなんだか答え合わせみたい、である。

 

もう光らなくなったペンライト、毛玉の多くなったお気に入りのニット、聴かなくなったバンドのCD。残されてったマルボロ

この匂いとおんなじだと思う。

 

 

 

 

 

 

終わりに

なんだか、上手く伝え切れてない。

 

少しでも興味をもってくださったら、僕の大好きなバンドがあなたのすきなバンドになればいいなあ、と、この説得力のない文章引っ提げて言っておく。

 

 

 

青春を歌うとき、サリバンの青春ロックは綺麗事でないから僕は好きだ。

 

青春は確かに甘酸っぱい。でもそれだけじゃないことが大半だ。

 

甘い、それだけじゃない。それだけを歌える人はきっと、そのような青春を過ごせた、シュガーシロップみたいな稀有な存在だと、思う。

 

御伽噺じゃなくて等身大

サリバンのサウンドのいい意味での荒っぽさや、素直な歌詞は、どこまで行っても青春の等身大だと思うのだ。

 

 

サリバンは四人体制になって初のミニアルバム。以前環七フィーバーのインタビューにて、ヨシダカズマさんが

「(SULLIVAN's FUN CLUBは)変、なバンドだと思います。

 変、化していく、という意味で、変、なバンドだと思います。」

といっていたように、まさに変化の渦の最中を観測したような気持ちになれた。

 

 

芯があって、ピュアなパンクロック。

「SULLIVAN's FUN CLUB はSULLIVAN's FUN CLUB 以外の何物でもない」

とヨシダレオさんが言うように、変化の中でもその骨組みはぶれることがない。

 

 

 

僕の大好きなバンドが、もっともっと遠くへ行きますように。

それでもずっと、僕の中で爆音でかき鳴らしてくれますように。

 

 

おわり。読んでいただいてありがとうございました。