人生は深夜ラジオみたいなもんだと思う。
中身がたいしてあるわけじゃないのに、飽きもせず没頭してしまうからだ。
そしてこの比喩も今でっちあげた、中身のない比喩なんだけど、かえってそれっぽいから困る。
ご機嫌よう、僕である。
蝉がミンミンと鳴きしきるころになったと、最近になってやっと気づいた。
コロナがあろうとなかろうと、人類の活動の営為が少しくらい損なわれようと、季節というのは巡るんだと思った。
「夏になったら、夏に聴くべき『エモソング』〇選、みたいなクソみたいなブログでも書いて多少PVを稼ごうかな~~~」
などと思ってたんだけど、なんだかやる気がなくなった。
このままではエモというかゲボである。
毎日「うだつの上がらない」という言葉も真っ青の、生産的に見えて非生産的な行動を繰り返しているばかりである。
解決策の見えないクソ問を一生解いている気持ちになる。成人したくねえし、酒飲んで忘れられるような生き方をしたくない。
と、まあ誰もが抱く将来への不安みたいなものを、チラ見しつつ七月が終わらんとしている。
このままではだめだと思いつつ、僕は深夜ラジオが聴ける時間まで起きている。
初めて深夜ラジオに触れたのは、中学二年くらいに、伊集院光の深夜の馬鹿力のコーナーまとめをニコニコ動画で発見したときだったと思う。
当時は軽度の中二病とオタクをこじらせていたので、この「俺だけが聴いてるコンテンツ」感がとんでもない深夜ラジオにはすっかりはまってしまった。
「早く寝ろよ!」と口うるさい父にしかられないように、息をひそめてラジオにヘッドフォンを繋いで、もう真夜中だってのに、鼓膜を震わす
「月曜JUNK!!伊ッ集院光 深夜の馬鹿力!!」
の音を聴く。
下ネタ、偏屈、屁理屈…めちゃめちゃで面白い。
「みんなの人気者で明るくて面白いアイツ」には絶対にわかってほしくないと思っていた。俺だけのコンテンツであってほしいし、そうであるという傲慢もあった…恥ずかしい。
大喜利コーナーにメール送って読まれなかったんだからその程度なんだキミは。
さてそんな深夜ラジオのパーソナリティを受け持つ、Creepy Nutsと菅田将暉が、曲を出したというので、深夜にこれを聴こうと思う。
サントラ/Creepy Nuts×菅田将暉
結論から言うと、ラジオ好きは、できるならこれを「深夜1時から3時までの間」くらいに聴き始めてほしい。
どこの誰が演出を担当したのかわからないが、この曲の出だしの演出は最高すぎる。
びっくりする。本当に深夜ラジオを聴いているのかと一瞬錯覚する。
ちょっと音質が悪くなってるこだわりが最強。
正直、正直に言おうじゃないか、この際。
僕は菅田将暉は好きだけれど、歌手活動する菅田将暉はそんなに好きじゃなかった。
別に、真っ向から叩こうとか、そういうわけじゃなくて、好きなことをやってくれるのはいいんだけどさ、なんか、違くない?みたいな。
いや、いいんだけどね、なんだろう、奥歯に鶏肉の繊維が挟まってるときみたいな、ウン、すまんなそこのJK。俺はなんだか挟まってるんだ、違和感が。コラ、スマホをいじるんじゃない、何がチックトックだ?? なにがフェイスアップだ?? なんでみんなプリクラ上げるのインスタに?? 虚構??虚構屋さん???
というような違和感も、このサントラに限ってはマジで一切なかった。
日本一のラッパーと世界一のDJを前にして、全然ぼやけていない。菅田将暉は菅田将暉で、彼なりの音楽愛を全力でぶつけにくる。
このブログは音楽を聴いては泣き、聴いては泣きを繰り返している柴田理恵ブログなので、無論ここでも目頭が熱くなる。
菅田将暉いいなあと思う。
で、看過できないのが「作曲:DJ松永」の文字。(コメント欄にあった)
もしかしたら、編曲に違う人が入っているのかもしれないが、正直言ってビビった。
そりゃCreepy Nuts名義でやっているんだから作曲してるのは当然っちゃ当然だけど。
なんていうか、ロック・ポップ寄りのこのトラックを、異常なまでの完成度で、そんじょそこらのバンドより恐ろしくキャッチーで、エキサイティングなものを、作ってしまうHIP HOPユニットのDJ(ここ重要)っていったい何なんだ。
そりゃ世界一のDJだよ。 あ、そうか、世界一か。
そしてやっぱりR指定のリリックとスキル。替えがきかない唯一無二の存在なんだなと痛感させられてしまう。
あ”ぴ~~~~~~~~~~でございます!!!!(丁寧な奇声)
これだ。ここは本当に大変だ。感情の大渋滞が起こる。
と、とりあえず、葬式or走馬灯で流したい曲リストの中にいれとこうと思う。
(ほかにはsumikaのふっかつのじゅもんとかが入ってる、葬式で流したらおもんないジョークで遺族冷え冷えになると思う。)
MVとも相まって、今までの「何か」、踏みつけていて、ぶよぶよしていたさなぎのような何かが、濁流となって産声を上げる感覚に襲われる。
まあ、そんな曲。深夜ラジオはいいなあ。この記事を深夜3時に書けてて幸せだなあ。
明日バイトあんだけどなあ、どうしよう。ちゃんとした時間に起きれるかなあ。
まあいいや。
深夜ラジオはいいよ、とりあえず。可能であればradikoじゃないので聴くのがいい。