言いたいこと以外言わないソレ

言いたいこと以外のことを言わない文章の集まりです。

DOUBLIVING/P.S. I LOVE U/聴いた/感想文

感情の重量制限に引っかかった。もう文章書けない。

 

俺の好きなバンド、DOUBLIVINGの新曲、P.S. I LOVE Uの感想文を書こうと思う。つたないけど、必死に歩くので千鳥足でついてきて欲しい。

 

【注意】歌詞機能あったっけ、なかったっけ、わからないんですけど、歌詞間違ってたらすみません。これは曲を通した僕とDOUBLIVINGとの対話なので、間違っててもそのまま載せる勇気を持っておきます。

 

【曲】

https://linkco.re/HYeATz98

聴いてから読むことを強く推奨

 

 

 

 

 

 

**

 

羽があったら俺はどこに飛ぶのだろうか。純白の、シロサギみたいに力強く、カラスの雛鳥みたいにふわふわの羽。考えうる限り何処へでも行ける羽。夏夜の蒸し暑い空気を切り裂くように、上空を飛翔する羽。

少し考えたが、俺に羽は要らなかった。

飛んで会いに行きたい人もいなかったし、見たい景色もなかった。

イカロスの遥か遥か低空の六畳間、多分天使が下界をテレビで見るとき、ザッピングされる側に俺はいる。

 

運命から見て背中側の俺の手記。

 

**

 

 

運命から見て、僕はこっち側で、君が見てたもの、それはそっち側で

ちょう不便な人間でいう「心」が邪魔してる

この歌詞、初っ端から良い。片思いなのかな。片思いですらないのかもしれない。隔てる壁を通して君を見るとき、淡い諦観みたいなものを感じてしまう。

 

 

劣性天使の僕はちょっとrude boy

君のこと何も守れそうにないけど

ちょう努力してるよ わからないことばっかりだけど

正直ここの歌詞、「劣性天使」の部分を「劣性遺伝子」と聞き違えていた。よくよく聞けば全然天使だった。心の表現力パラメータが足りない。

 

でも、この劣性天使って何かの比喩なんだろうか。

ググったけど劣性天使という言葉はなかった。ヨシダレオさん(DOUBLIVING 作詞作曲)の造語だ。

 

だからここにヨシダさんの一番言いたい部分が、言外に潜まされているのかもしれない。隠し味みたいな、でも味の決め手みたいな「劣性天使」に割と悩まされている。これだけで一本ブログ書けるような気もしてきた。

 

天使の規範たる天使こそ、優等な天使で、それと比較して劣っているから劣性天使なのだろう。ちょっとrudeとあるから、きっと無礼でダサくてどちらかというと不良品的ないきものなんなんだろうなとわかる。

 

大抵の作品で超自然的な力を持つ天使という存在だから、きっと(多分、こっち側・そっち側というフレーズから)人間なのだろう思い人を守るくらいワケない筈なのに、「君のこと何も守れそうにない」と言う劣性天使である僕。

 

1.通常天使の持つ超自然的パワーを、劣性天使であるゆえに持たないから

2.わからないことばっかり、とあるように、「そっち側」のことについて「こっち側」の僕はあまりにも無知だから

3.君が「そっち側」を見ているため、「こっち側」の僕が干渉できることがないと諦めかけているから

4.劣性天使であるゆえに自分に自信が無く、ちょう努力していることを伝えるための引き出す枕言葉(予防線)として「君のこと何も守れそうにないけど」と貼っているため

 

ふいにセンター試験(死語)の現代文の問題みたいになっちゃった。

 

どれだろう。まだありそうだけど、答えがなくていい気もする。自分で出した選択肢だから当たり前だけど、自分にとってはどれもそこそこ納得がいく。

 

別に納得するために曲聴いてるわけじゃないからこんな「考察」は自分にとってあんまり意味ないけど。こういう聴き方もいい。

 

 

ねぇ 今すぐ迎えに行くね

ジュース飲んで待ってて

ねぇ 今なら羽もあるぜ

あと少しまってて

 

P.S. I LOVE U

夜の町の上をぐいんと、ビルの合間すれすれに飛行するようなグルーヴを感じる。街灯や家の窓からの光が高速で視界の端をちらちら過ぎていって、生ぬるい梅雨の重たい空気が少しだけ涼しく思えた、と思ったらサビだった。

 

なあ、「君のこと何も守れそうにないけど」って言っておいて、「今すぐ迎えに行くね」だよ。衝動に振り回されっぱなしだ。

 

あ~、ここ気づいちゃった。

作詞した人そこまで考えてないと思うよ

作詞した人、そこまで考えてないと思うよと千代ちゃんに言われたっていい!もう俺は俺の解釈を一歩も退かない!!

 

以下勝手な解釈:

サビ前までは、「僕はこっち側で君はそっち側なんだ…」「僕ってちょっと劣性天使だ」「君のことなにも守れそうにないや、だから僕がんばってるよ、ちょうがんばってる」なんて、すこし自虐的というか、自嘲気味というか、やや後ろ向きな言葉がつぶつぶと並んでいたのに、サビになった途端駆け抜けるように衝動的だ。

 

いや、もちろんサビ前もサビも、どっちも「I LOVE U!!!」は一貫してるんだけど、LOVEの発音が、音色が、サウンドが違う気がするんだ。

 

すごいな、恋してるときって確かにそうな気がする。俺は天使でもなんでもないが、そこだけは分かる。

 

そして、「今すぐ迎えに行くね ~ あと少しまってて」は、夏目漱石の「月がきれいですね」よりもっとストレートな愛の言葉とすら捉えられるのに、なぜか、控えめであるはずの追伸に、強力な「I LOVE U」。

 

完全に振り回されてる。

 

お気付きだろうか、DOUBLIVINGはこの曲を「ラブソング」と題しているが、ここまでで直接的に好きとかラブとか愛してるとか言ってるのは、このたった一文の追伸の中だけなのである。

 

通常追伸といえば、重要なことは記載しないというしきたりになっている。追伸はあくまで、補足的な内容を加えるスペースだ。

追伸とは?メールでの正しい使い方や言い換え表現まで|20代・第二新卒・既卒向け転職エージェントのマイナビジョブ20's

でもここに、明らかに重要な、あるいはメタ的に曲の主題である「I LOVE U」が。

 

「こっち側」と「そっち側」で隔たれた僕にとって、思いを伝える権利すらないのかもしれない(と思っているのかもしれない)「ラブ」のデカすぎる感情が、ついぞ溢れてしまったのが追伸と考えれば、なんとも幼気で愛おしい。だって最後まで言わないことができなかったんだ、これが人間でいう「ココロ」だ。

こういう卓越したピュアさを勝手に感じとっている。

 

ここまでが、勝手な解釈です。テストに出ないぞ。赤ペン先生が見てたら赤×つけまくり。寧ろエクスタシーを覚えるほどに…。

 

 

 

夏になったって苦い思い出ばっかが浮かぶけど

君は僕のこと許してくれる

それだけが正義なんだなあ

爽やかでだけどパワフルで、叫んでるようにもきこえた間奏を含む、ここ。

ここ、楽曲としてのP.S. I LOVE Uをめちゃめちゃイケてる最強の曲として〆ている部分かもしれないって俺は勝手に感じている。ただこういうリズムとかクラップが好きなだけだけど、おれが。

 

そして、夏になったって苦い思い出ばっかが浮かぶけど、って歌詞に個人的に思い当たるフシがあるせいで二倍効く。いや、二乗効く。

 

しかしエゴなセリフだぜ。「君は僕のこと許してくれる それだけが正義なんだなあ」

いやでも、いやでもそうなんだよ、誰だって許されたくて愛されたいのかも!かも!童貞かよ!めちゃめちゃ恥ずかしいこと言ってる気がする。

でもそういうことでしょ、みんな目を背けないでくれ!見てくれ!みんな、マジでそうだろ?なあ、そうだろ?

「君は僕のこと許してくれる それだけが正義なんだなあ」

だろ?

ピュアだろ、ピュアだろ、これだけが本当にピュアでしょ、

 

よしんば正義は「それだけ」じゃなかったとて、「これ」はある種一つの正解でしょ、一つの正義でしょ、正しさってなんだって俺だってずっと考えるけど、これ、とってもエゴいけど、正義でしょ。個人にとって、

 

なんでこんな歌詞かけるんだ、なんでこんな歌詞かけるんだろう。魚の骨をきれいに取り除いてからたべているような気もするし、魚の骨なんか気にせずパクついてる気もする。いずれにせよ俺にはこんな歌詞逆立ちしてもの骨をきれいに取り除いてからたべても、魚の骨なんか気にせずパクついても発見できないよ。

 

許されたくて愛されたい!!

 

 

ちょっとこれ、明日山形駅の駅構内で演説してこようかな。マジでヤバイ変質者だと思われても、警備員に取り押さえられて交番へと運ばれても、その道中で絶えず叫びたい。「君は僕のこと許してくれる それだけが正義なんだな」って。

 

 

 

運命から見て、僕はどっちだったっけ

 

とボーカルの声が、その直後分厚い雲の壁を引き裂くようなギターが。

 

どっちだったっけ???だと???

 

冒頭一行目の歌詞で「運命から見て、僕はこっち側で、君が見てたもの、それはそっち側で」と決めつけるように、本当に断定するようにいっていたのが、もはやぐちゃぐちゃに混乱してしまったようだった。

 

そして、

 

ねぇ 今すぐ迎えに行くね
パンかじって待ってて
ねぇ 今なら羽もあるぜ
あと少しまってて

 

からの、

 

ねぇ 暇なら僕の名前
呼びながら待ってて
ねぇ 今なら羽が無くたって
飛べるからまってて

 

これ。

 

分厚い雲を突き抜けるように天上から急転直下してきた僕は、そのまま雲を貫いて夕暮れの住宅街へ、愛しの君のもとへギュンギュンとスピードを上げて急降下。アスファルトにぶつかる直前で進行方向を地面と水平に急転回。から、さらに再加速して羽ばたいて、対向車や通行人の間を縫って、グングン進んでいく。湿っぽい風がシャツの中を通り抜けていく。

と次の瞬間、背中の羽が光の粒子になって刹那、霧散する。天上から勝手に抜け出した罰なのか。地面にずざりと転がり落ちる僕。頬や膝を擦りむきながら、数十メートル、転がり続ける。じくじく痛むが、スピードを落とさずにそのまま、路肩に止められていた放置自転車に跨り、君のもとへと、一心不乱に駆けていく…。

 

だって、

coz I LOVE U

だから。

 

 

ああ悪いかこれが俺の感想だよ。というかもうこれしか思い浮かばなくてこれを出力するしかなくなっちゃったんだよ。物書き失敗だよ。

今ここまで書いてこの感想文を全世界に公開したくてたまらない。この曲にこの感想をぶつけたい。みんなの感想も知りたい。教えてくれ。俺は何をしてるんだ人の楽曲ででも感想がこうなっちゃったから仕方ないと思うんだ。うわあああああ。

 

 

全話休題。落ち着く。

 

「羽」がDOUBLIVINGなりに何らかの機能を託しているとすると、「coz(becauseの省略形)I LOVE U」の部分がカギになっているハズ。たぶん。

 

君がラブだから「羽」なんかなくても飛べるぜ、だから僕のこと待っててくれ

と換言できる最後の部分。大胆だ。君と出会えた奇跡とかよりもっと能動的に大胆だ。だって、会えたとかじゃなくて、もう、俺が好きだから俺は飛べるんだって、何の気なしに凄いこと言ってる。

そのうえで、空飛んで迎えに行くから待っててくれ、って。

これ、I LOVE Uが追伸になるくらい大胆なI LOVE Uだよな、って書きながら思った。

 

羽、何に言い換えてもズレが生じそうだけど、「自信」とか「根拠」みたいな言葉を代入しても納得できる気もする。でもそれは、多義的な解釈の赤点じゃないうちの1つなだけであって、羽って言葉に絶対勝てないな。勝ち負けじゃないけど。

DOUBLIVINGヨシダレオの描く作詞世界は、言葉が和音になっているみたいにぴったりで、不協和音みたいにエネルギッシュだ。二重性。

 

曲全体のメロディ、歌詞、歌声、歌い方、そのすべてがP.S. I LOVE Uを急旋回で青臭いラブソングにしている。ああ、ほんと最高。

 

みんな八億回聴いて。いや、多いかさすがに。八億はな。

 

 

みんな十二億回聴いて。

 

**

 

 

良い曲すぎる。

 

気づけば3時35分。不健康な生活。久しぶりだ。こんなに夜更かししたの。

5月上旬からつい最近にかけて、午前七時起き午後十一時半寝という、マジで本当に同一人物か疑うほどの真人間的な生活をしていた。今日久々に破綻した。

 

文章を書くというのは凄く時間とエネルギーを消費するが、こうじゃないと火がつかない特殊な魂の部分があるんだなと再確認した次第。ガッと書かないと書けない男だ。俺。

 

あー、いい、本当に、いい。

 

俺、運命から見てどっちだったっけ、わからない。そもそも見てくれてるかわからないけど、勝手にそっち側に行くよ。羽ねぇけど。誰も今は特にラブじゃないけど。

でも今羽が生えたら、本当に思いきり飛べそうだよ。見たい景色探すし、会いたい人だって探す。そんで、満足したら宇宙向かって飛ぶよ。イカロスが今とてもうらやましい。

 

力尽きてアスファルトに墜落して突っ伏したら、消えかけた羽の粒子を指につけて、黒色のアスファルトにこう書く。

 

 

 

 

 

P.S.

I LOVE U